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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第70章 70 昇格
初めて朝廷に向かう。星羅はいつも見ていた石の階段を一段踏みしめるように上がる。遠目からはよく見える『銅雀台』は階段の下からは見えないほど高い。まるで高祖の志のように高い。
「今日からここで政に参加するのね」
そう思うと足がぶるっと震えた。王太子で実の父である曹隆明への恋しさよりも、緊張のほうが勝る。
「星雷っ」
後ろから郭蒼樹の声がかかった。
「あ、蒼樹。おはよう」
「おはよう。早いな」
「あ、うん。眠れなくて」
「そうか」
「蒼樹はいつも通りだね」
「そんなことはない。俺もここに上がるのは初めてだ」
珍しく蒼樹も緊張しているようだ。
「でも、蒼樹の父上もいらっしゃるのだろう?」
「まあな。しかし親や親族などいても関係はないさ。俺たちは末席でなんとか話を耳に入れられる程度だ」
それでも助手の身分で朝議に参加できるのは、軍師助手だけだった。医局長であっても陸慶明も参加できないし、太極府局長の陳賢路もしかりだ。そのため朝議に交じっている若者は軍師省からの者だとすぐにわかる。階段を上がる足取りが若くて軽くとも、経験と実績のある熟年の高官たちに囲まれて星羅は息苦しさを感じた。
前向きで意志が強く、周囲に流されない星羅ではあるが、さすがに高官たちの朝議には緊張する。発言を求められるわけでもないが息をするので精一杯だ。ふっと郭蒼樹のクールな表情を見て、彼がいてくれてよかったと思った。
「今日からここで政に参加するのね」
そう思うと足がぶるっと震えた。王太子で実の父である曹隆明への恋しさよりも、緊張のほうが勝る。
「星雷っ」
後ろから郭蒼樹の声がかかった。
「あ、蒼樹。おはよう」
「おはよう。早いな」
「あ、うん。眠れなくて」
「そうか」
「蒼樹はいつも通りだね」
「そんなことはない。俺もここに上がるのは初めてだ」
珍しく蒼樹も緊張しているようだ。
「でも、蒼樹の父上もいらっしゃるのだろう?」
「まあな。しかし親や親族などいても関係はないさ。俺たちは末席でなんとか話を耳に入れられる程度だ」
それでも助手の身分で朝議に参加できるのは、軍師助手だけだった。医局長であっても陸慶明も参加できないし、太極府局長の陳賢路もしかりだ。そのため朝議に交じっている若者は軍師省からの者だとすぐにわかる。階段を上がる足取りが若くて軽くとも、経験と実績のある熟年の高官たちに囲まれて星羅は息苦しさを感じた。
前向きで意志が強く、周囲に流されない星羅ではあるが、さすがに高官たちの朝議には緊張する。発言を求められるわけでもないが息をするので精一杯だ。ふっと郭蒼樹のクールな表情を見て、彼がいてくれてよかったと思った。