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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第70章 70 昇格
「しかし、殿下はやはり違うな」
「あ、ああ」
「軍師省においでになった時は気さくで親しみを感じるが……」
「朝廷ではとても遠い存在に感じるな」

 星羅は襟足からそっと自分の髪に触れる。隆明と同じ手触りの髪に触れると、心が安らぎ慰められる。王太子、曹隆明が実の父と知った夜から「殿下は父上……」と髪に触れながら、寝台を濡らして夜を過ごしてきた。もう涙を流すことはないが、髪に触れる癖がついている。

「すぐにおそばに参れるさ」

 郭蒼樹の優しい口調に、星羅は「そうだな」と明るく答えた。
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