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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第72章 72 縁談
「では、これで。数日したらまた参りますので、その時にできたらお返事を下され」
シナモン紅茶をうまそうに飲み干して張秘書監は立ち上がる。彰浩は彼を見送るため外に出ていった。固まっている星羅の肩に京湖はそっと手を置く。
「星羅。気に入らない縁談なら断っていいのよ? 陸家にはお世話になっているけど、気にしなくていいのよ」
「かあさま……」
京湖の顔を見た後、星羅は京樹のほうへ目をやる。
「京にいはどう思う?」
「どうって……。星羅の好きにすればいい」
そういった後、珍しく不機嫌そうに京樹は部屋に戻っていった。京樹の後姿を不思議そうに見ていた京湖はとりあえず今日はもう休むようにと星羅に告げる。
星羅は言われるまま、部屋に行き寝台に横たわった。
「明兄さまと結婚……」
まえに冗談で明樹が星羅を娶ってやると言っていたが本気だったのだろうか。結婚することに関しては肯定も否定もない。同級生だった女学生たちはもうほとんど結婚しているようだ。
明樹のことを慕ってはいる。彼は明るく気さくで武芸にも秀でていて勉強も熱心だ。星羅が学生であったころ、彼にあこがれる女生徒は多くいて、星羅も素敵な男性だと思っていた。
絹枝老師に会うために陸家によく訪れるようになると、明樹が気さくに声を掛けてくれ、いつの間にか軍師試験などの協力者になってくれていた。
人柄も家柄も申し分ない縁談なので断る理由を探すほうが難しい。
「馬には乗ってみよ人には添うて見よ、かなあ」
恋心は曹隆明によってはかなく消え去った星羅にとって、自分の気持ちを考えることはなかった。明日、郭蒼樹にも相談してみようと目を閉じた。眠りにつく瞬間に思い描くのは曹隆明だった。
シナモン紅茶をうまそうに飲み干して張秘書監は立ち上がる。彰浩は彼を見送るため外に出ていった。固まっている星羅の肩に京湖はそっと手を置く。
「星羅。気に入らない縁談なら断っていいのよ? 陸家にはお世話になっているけど、気にしなくていいのよ」
「かあさま……」
京湖の顔を見た後、星羅は京樹のほうへ目をやる。
「京にいはどう思う?」
「どうって……。星羅の好きにすればいい」
そういった後、珍しく不機嫌そうに京樹は部屋に戻っていった。京樹の後姿を不思議そうに見ていた京湖はとりあえず今日はもう休むようにと星羅に告げる。
星羅は言われるまま、部屋に行き寝台に横たわった。
「明兄さまと結婚……」
まえに冗談で明樹が星羅を娶ってやると言っていたが本気だったのだろうか。結婚することに関しては肯定も否定もない。同級生だった女学生たちはもうほとんど結婚しているようだ。
明樹のことを慕ってはいる。彼は明るく気さくで武芸にも秀でていて勉強も熱心だ。星羅が学生であったころ、彼にあこがれる女生徒は多くいて、星羅も素敵な男性だと思っていた。
絹枝老師に会うために陸家によく訪れるようになると、明樹が気さくに声を掛けてくれ、いつの間にか軍師試験などの協力者になってくれていた。
人柄も家柄も申し分ない縁談なので断る理由を探すほうが難しい。
「馬には乗ってみよ人には添うて見よ、かなあ」
恋心は曹隆明によってはかなく消え去った星羅にとって、自分の気持ちを考えることはなかった。明日、郭蒼樹にも相談してみようと目を閉じた。眠りにつく瞬間に思い描くのは曹隆明だった。