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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第73章 73 婚礼
真紅の花嫁衣裳を着て、迎えの花轎に星羅は乗り込む。輿の外から、この婚礼はどこの誰だとか、花嫁の姿はどうであろうかと賑やかに話す人々の声が聞こえる。星羅は外を眺めることもせず、陸家に着くまでじっと郭蒼樹のことを思い出していた。
――陸明樹との縁談話を郭蒼樹に告げる。
「いい話だと思う」
「そうか」
この縁談には文句の付けようがなかった。
「油断した」
「何を?」
「星雷に縁談話などそうそうに来ることがないと思ってた」
「あ、うん、わたしもそう思ってた」
「もう隆明様はいいのか」
「いいというか、どうにもならないしね」
「あと、3年あればよかったのに」
「3年?」
「教官になったら、婚礼の申し込みに行こうと思ってた」
「蒼樹……」
「仕方ない。これも縁だろう。幸せになれよ」
「ありがとう」
「ああ、そうだ。婚礼衣装は徐忠弘に頼むといい。ここを去るとき、もしも星雷が結婚するなら衣装を用意したいと言ってたから」
「そうか。文をかくよ。あの忠弘も、蒼樹も来てくれるかな」
「行くよ。星雷の女装は見たことがないからな」
「女装!?」
「はははっ」
乾いた笑い声をたてて郭蒼樹はその場を去った。彼の広い背中を見ながら、まだ自分を想っていてくれたことを知る。しかし星羅には蒼樹を軍師の仲間、またはライバルとしてしか見ることができなかった。
「ごめん……」
以前のように、瞬間的に気まずくなっても次の日には普段通りに戻るだろう。
――陸明樹との縁談話を郭蒼樹に告げる。
「いい話だと思う」
「そうか」
この縁談には文句の付けようがなかった。
「油断した」
「何を?」
「星雷に縁談話などそうそうに来ることがないと思ってた」
「あ、うん、わたしもそう思ってた」
「もう隆明様はいいのか」
「いいというか、どうにもならないしね」
「あと、3年あればよかったのに」
「3年?」
「教官になったら、婚礼の申し込みに行こうと思ってた」
「蒼樹……」
「仕方ない。これも縁だろう。幸せになれよ」
「ありがとう」
「ああ、そうだ。婚礼衣装は徐忠弘に頼むといい。ここを去るとき、もしも星雷が結婚するなら衣装を用意したいと言ってたから」
「そうか。文をかくよ。あの忠弘も、蒼樹も来てくれるかな」
「行くよ。星雷の女装は見たことがないからな」
「女装!?」
「はははっ」
乾いた笑い声をたてて郭蒼樹はその場を去った。彼の広い背中を見ながら、まだ自分を想っていてくれたことを知る。しかし星羅には蒼樹を軍師の仲間、またはライバルとしてしか見ることができなかった。
「ごめん……」
以前のように、瞬間的に気まずくなっても次の日には普段通りに戻るだろう。