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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第79章 79 孫
明樹も赤ん坊の顔を見たらすぐに戻るという約束で、赴任先から帰ってきている。あまりにも小さな存在に彼は恐る恐る眺めるだけだ。
「もう少しそばで徳樹の顔を見たらいいのに」
「いやあ。泣かれると困るしなあ」
「父上の顔が見たいわよね」
丸々とした紅い顔の赤ん坊はぼんやりとどこかを見ている。
「しかし小さくて赤いものだな」
「お義父上の話では、なかなか大きいほうみたいよ」
「へえ。これでもかあ」
「目元はあなたに似てるかしら」
「どうだろうなあ。赤ん坊の顔なんか区別できるんだろうか」
「自分の子供はわかると思うわ」
「確かに、顔はどうかわからないが、このつやつやした黒髪は星羅によく似ている。赤ん坊はつるっぱげだと思っていたが」
「ええ、髪だけはなんだかとてもしっかりしているみたいよ。ああ、京湖かあさまもわたしが赤子の時から髪が豊かだと言ってたわ」
「ほう。やっぱり家系があらわれるのだなあ」
明樹はしっとりとして艶のある黒髪をもつ、徳樹の頭をそっと撫でる。
「もう少しそばで徳樹の顔を見たらいいのに」
「いやあ。泣かれると困るしなあ」
「父上の顔が見たいわよね」
丸々とした紅い顔の赤ん坊はぼんやりとどこかを見ている。
「しかし小さくて赤いものだな」
「お義父上の話では、なかなか大きいほうみたいよ」
「へえ。これでもかあ」
「目元はあなたに似てるかしら」
「どうだろうなあ。赤ん坊の顔なんか区別できるんだろうか」
「自分の子供はわかると思うわ」
「確かに、顔はどうかわからないが、このつやつやした黒髪は星羅によく似ている。赤ん坊はつるっぱげだと思っていたが」
「ええ、髪だけはなんだかとてもしっかりしているみたいよ。ああ、京湖かあさまもわたしが赤子の時から髪が豊かだと言ってたわ」
「ほう。やっぱり家系があらわれるのだなあ」
明樹はしっとりとして艶のある黒髪をもつ、徳樹の頭をそっと撫でる。