この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第80章 80 蒼樹の従妹
息子の徳樹を抱いて庭を歩く。首が座ってから徳樹は庭のいたるところに目をやる。星羅は厩舎のまえに立ちそっと入ると彼女の気配をずっと前から感じていたらしく、馬の優々とロバの明々は待ち遠しそうに前足を踏み鳴らしていた。
「こんにちは。徳樹を連れてきたわ」
二匹とも徳樹を驚かさないようにしているのか、静かにじっと見つめる。徳樹のほうが好奇心が強いようで背の低いロバの明々に手を伸ばす。
「あらあら、明々を撫でたいの?」
手本を示すように、星羅は優しく明々の鼻面を撫でる。明々が嬉しそうに鼻を鳴らすと、徳樹も小さな手でそっと明々に触れた。明々は目を細め、また嬉しそうに鼻を鳴らす。隣で馬の優々が、待ちきれないといったふうに「ヒヒンっ」と鳴き前足を鳴らす。
「はいはい。こんどは優々よ」
艶やかな優々の首筋を撫でると、徳樹も手を伸ばす。
「あっ!」
小さな手が優々の首の毛を握りこんでしまう。優々はじっと耐えていた。
「優々。ごめんね、痛かったわね」
徳樹の手を開かせ、むしられかけた毛を撫でつける。
「ヒンッ」
優々は平気だというように啼いた。優々は名前通り気性の穏やかな馬でとても優しい。
「もう少ししたら一緒に乗せてね」
星羅のお願いを優々は承知したようだった。明々と優々に会って徳樹はご機嫌になっている。あうーとか、まうーなど喃語が盛んに発声されている。それに呼応するように、明々と優々も優しい鳴き声を出す。
「ふふっ。仲良しになったのね」
「こんにちは。徳樹を連れてきたわ」
二匹とも徳樹を驚かさないようにしているのか、静かにじっと見つめる。徳樹のほうが好奇心が強いようで背の低いロバの明々に手を伸ばす。
「あらあら、明々を撫でたいの?」
手本を示すように、星羅は優しく明々の鼻面を撫でる。明々が嬉しそうに鼻を鳴らすと、徳樹も小さな手でそっと明々に触れた。明々は目を細め、また嬉しそうに鼻を鳴らす。隣で馬の優々が、待ちきれないといったふうに「ヒヒンっ」と鳴き前足を鳴らす。
「はいはい。こんどは優々よ」
艶やかな優々の首筋を撫でると、徳樹も手を伸ばす。
「あっ!」
小さな手が優々の首の毛を握りこんでしまう。優々はじっと耐えていた。
「優々。ごめんね、痛かったわね」
徳樹の手を開かせ、むしられかけた毛を撫でつける。
「ヒンッ」
優々は平気だというように啼いた。優々は名前通り気性の穏やかな馬でとても優しい。
「もう少ししたら一緒に乗せてね」
星羅のお願いを優々は承知したようだった。明々と優々に会って徳樹はご機嫌になっている。あうーとか、まうーなど喃語が盛んに発声されている。それに呼応するように、明々と優々も優しい鳴き声を出す。
「ふふっ。仲良しになったのね」