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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第80章 80 蒼樹の従妹
 一人と二匹の会話を楽しんでいると、京湖がやってきた。

「ここにいたのね」
「どうかしたの?」
「お客様よ」
「わたしに?」
「ええ、お祝いに来てくださったの。おなじ軍師助手の郭蒼樹さんよ」
「ああ、蒼樹が。今行くわ。じゃあね」

 名残惜しそうな3人組だった。

 朱家は陸家とも郭家ともちがい高い塀も門もなく、木の柵と防風林で囲まれている。無造作に止められている郭家の馬車は、明らかに朱家のものではないことがわかる。

「馬車も立派ねえ」

 しっかりとした造りは、今風の飾りや派手な布地などは使われておらず堅牢そうだ。弓矢が飛んできても防げるだろう。権力や富の象徴を馬車や輿で表されることが多いが、郭家はやはり実を取るようだ。ある意味護送車のようでもある。
 繋がれている馬は遮眼帯がつけられている。少し視界を狭くして走ることに集中させられているようだ。徳樹が馬に反応して「あまー」と手を伸ばすが、郭家の馬はきっと他人を触れさせることはないだろう。

「だめだめ。蒼樹がいるときにしましょう」

 徳樹をなだめ、星羅は家に入った。
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