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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第80章 80 蒼樹の従妹
異文化に触れ興味深そうな郭蒼樹をよそに、柳紅美はやけに否定的だ。郭蒼樹のシナモン紅茶の香りをかぎ、顔をしかめる。
「ちょっときつすぎるわ。繊細な漢民族には合わないと思うわ。下品な飲み物ね」
「紅美!」
「あら、ごめんなさい」
「いえ、いいの。確かに飲みなれていないときついわよね。桂皮なしで召し上がれ」
「色々な経験をする意思がないと軍師には向かないと思うぞ」
「そんなことないわ」
「軍師?」
「ああ、紅妹は今年で学舎を卒業して軍師試験を受けるつもりのようだ。受かるかどうか怪しいものだが」
「失礼ね。女学生の中で一番の成績なのよ?」
「まったくおてんばで困る」
「あら、星羅さんだって軍師じゃない」
さすがの星羅にも柳紅美が郭蒼樹を好きなことが分かった。しかも何か誤解をしているのか、星羅は恋敵のような扱いで言葉にも態度にもとげがある。どうしたものかと考えていると、軽く眠って起きた徳樹がふああんと泣き声を出す。
「あ、起こしてしまったか。すまない」
「いいのいいの。まだまだこんな調子なのよ」
「抱いていいか?」
「え、ええ。大丈夫? 夫なんかこわがってしまって」
「俺の下に弟が3人いるんだ。結構、子守をさせられている」
「そうなのね。意外!」
そっと取り上げ慣れた手つきで徳樹を抱き寄せる。徳樹は人見知りをすることなくすぐに機嫌がよくなり、また持ち前の好奇心を発揮し、蒼樹の頬を撫でる。
「ちょっときつすぎるわ。繊細な漢民族には合わないと思うわ。下品な飲み物ね」
「紅美!」
「あら、ごめんなさい」
「いえ、いいの。確かに飲みなれていないときついわよね。桂皮なしで召し上がれ」
「色々な経験をする意思がないと軍師には向かないと思うぞ」
「そんなことないわ」
「軍師?」
「ああ、紅妹は今年で学舎を卒業して軍師試験を受けるつもりのようだ。受かるかどうか怪しいものだが」
「失礼ね。女学生の中で一番の成績なのよ?」
「まったくおてんばで困る」
「あら、星羅さんだって軍師じゃない」
さすがの星羅にも柳紅美が郭蒼樹を好きなことが分かった。しかも何か誤解をしているのか、星羅は恋敵のような扱いで言葉にも態度にもとげがある。どうしたものかと考えていると、軽く眠って起きた徳樹がふああんと泣き声を出す。
「あ、起こしてしまったか。すまない」
「いいのいいの。まだまだこんな調子なのよ」
「抱いていいか?」
「え、ええ。大丈夫? 夫なんかこわがってしまって」
「俺の下に弟が3人いるんだ。結構、子守をさせられている」
「そうなのね。意外!」
そっと取り上げ慣れた手つきで徳樹を抱き寄せる。徳樹は人見知りをすることなくすぐに機嫌がよくなり、また持ち前の好奇心を発揮し、蒼樹の頬を撫でる。