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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第10章 10 婚礼
「難しい顔をしてるわね。これからお子も生まれて賑やかになるでしょうし、仕事も順調なのにね」
「あ、ああ、まあな」
いつの間にか考え込んでいた慶明は、はっとして我に返る。咳ばらいをしながら「ちょっと今後のことで占ってもらえるか?」と空気を換えるように晶鈴に頼んだ。
「いいわよ。今後の、何?」
「うーん。これってことはないが」
「漠然とすると漠然とした答えが出てくるわよ?」
「それでいい。俺自身の今後ってことで」
「あら、そう? 珍しく適当な内容ね。じゃあ、観てみるわ」
晶鈴は小袋を両手で優しく包み込むようにもんだ後、中から紫色の流雲石を一つとりだし台に置く。コトリ、コトリと5つ並べてじっと観る。
「どうだ?」
「そうね。何か新しいことがおこるわ」
「新しいこと? 子供か?」
「いえ。もっと元々あったことに変化がありそう」
「それは良いことか? 悪いことか?」
「おそらく良いことよ」
「ならばよいか」
「でも――」
「でも?」
「そのあと別離があるわ。悪いことではないけど」
「別離……」
まさか母ではあるまいなと考えるが、彼女は身体はいたって健康だった。もちろん慶明の薬の効能も大きい。出産時に夫人の身に何かあるのではないかと心配になってきた。その気持ちを察したのか「大丈夫よ。命には関係ないと思うから」と晶鈴が笑顔を見せた。
「あ、ああ、まあな」
いつの間にか考え込んでいた慶明は、はっとして我に返る。咳ばらいをしながら「ちょっと今後のことで占ってもらえるか?」と空気を換えるように晶鈴に頼んだ。
「いいわよ。今後の、何?」
「うーん。これってことはないが」
「漠然とすると漠然とした答えが出てくるわよ?」
「それでいい。俺自身の今後ってことで」
「あら、そう? 珍しく適当な内容ね。じゃあ、観てみるわ」
晶鈴は小袋を両手で優しく包み込むようにもんだ後、中から紫色の流雲石を一つとりだし台に置く。コトリ、コトリと5つ並べてじっと観る。
「どうだ?」
「そうね。何か新しいことがおこるわ」
「新しいこと? 子供か?」
「いえ。もっと元々あったことに変化がありそう」
「それは良いことか? 悪いことか?」
「おそらく良いことよ」
「ならばよいか」
「でも――」
「でも?」
「そのあと別離があるわ。悪いことではないけど」
「別離……」
まさか母ではあるまいなと考えるが、彼女は身体はいたって健康だった。もちろん慶明の薬の効能も大きい。出産時に夫人の身に何かあるのではないかと心配になってきた。その気持ちを察したのか「大丈夫よ。命には関係ないと思うから」と晶鈴が笑顔を見せた。