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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第85章 85 西の駐屯地
「なかなかうまいな。ちょっと星羅のより辛いか」

 辛くなってきたので茶乳を一口飲むと口の中に甘みが広がった。皿を半分ほど空にした時、明樹の感覚と記憶は飛んでいた。

「あれ? 俺は店にいたはずでは?」

 いつものように狭苦しい寝台で目が覚めた。

「いつ帰ってきたんだ」

 身体を探るが何も異変はない。上着はいつものところに掛けてある。金をとられた様子もない。

「おかしいな」

 変だとは思うが、何も変化のないいつもの朝だ。もうしばらくすれば都に戻るということで明樹も深く追及しなかった。しかし彼は今日も後輩に誘われ、咖哩を食べに『美麻那』に行くだろう。
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