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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第88章 88 捜索
門番に事情を話し、星羅は自分の通行証を見せる。若い門番は軍師である星羅に恐縮して通行を促す。
「あの、夫に何か不審な様子はなかったかしら?」
門番の若い男はうーんと首をひねり記憶をたどる。
「なんでもいいの。些細なことで」
「ああ、そう言われると、陸副隊長は行きは明るく話しかけてくれるのですが、お帰りの際は無言で誰にも声を掛けずにお帰りになってました」
「無言で……」
きさくな明樹が無言で門を通り抜けるのはおかしい。店の場所を聞き星羅は、許仲典とともに向かう。華夏国を覆う長城沿いの一本道を進みすぐに店は見つかった。長城を抜け、西国の領土になると途端に砂漠地帯が増えているので星羅は驚いた。日差しが強く、空気も乾きカラッとして熱い。西国の端であるが、京湖の生まれ育った国なのだと思うと感慨深い。
「ここね」
漢字で『美麻那』と看板に書かれた店を見つける。看板がなくてもこの店一軒しか周囲にはないのですぐにわかるだろう。
少しでも明樹の形跡を見つけようと、星羅は意気込んで店の中に入った。
「あの、夫に何か不審な様子はなかったかしら?」
門番の若い男はうーんと首をひねり記憶をたどる。
「なんでもいいの。些細なことで」
「ああ、そう言われると、陸副隊長は行きは明るく話しかけてくれるのですが、お帰りの際は無言で誰にも声を掛けずにお帰りになってました」
「無言で……」
きさくな明樹が無言で門を通り抜けるのはおかしい。店の場所を聞き星羅は、許仲典とともに向かう。華夏国を覆う長城沿いの一本道を進みすぐに店は見つかった。長城を抜け、西国の領土になると途端に砂漠地帯が増えているので星羅は驚いた。日差しが強く、空気も乾きカラッとして熱い。西国の端であるが、京湖の生まれ育った国なのだと思うと感慨深い。
「ここね」
漢字で『美麻那』と看板に書かれた店を見つける。看板がなくてもこの店一軒しか周囲にはないのですぐにわかるだろう。
少しでも明樹の形跡を見つけようと、星羅は意気込んで店の中に入った。