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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第88章 88 捜索
美味そうな香りに気づき、星羅は目を覚ます。
「あっ、ここは?」
起きて見回し、明樹の部屋だと思い出す。起きだして美味そうなにおいがする台所のほうへ向かう。大きな身体の許仲典がかまどで何かを煮炊きしていた。
「仲典さん、何か作ってるの?」
「ああ、起きただか。もう出来上がるからそこに座るといい」
星羅が席に着くと、許仲典は深鉢を机の真ん中に置いて、小皿を出した。
「美味そうな角煮だね。すごい。仲典さんは料理が上手いんだな」
「いやあ、いい豚が手に入ったから、ちょっと煮込んだだ。さあ、熱いうちに」
「うん」
熱い肉の塊は口の中で柔らかくほぐれ消えていく。まるで許仲典その人のように、料理は星羅に優しくさりげなくしみ込んでいく。それと同時に明樹のことが心配になる。
「ちゃんと食べているんだろうか」
「きっと食べてるさ」
「だと、いいな」
「ほら、もっと食べろ? 旦那さんを探すのに体力いるぞ」
「そうだね」
回復を感じた星羅は、まず家の中を調べる。小さな家は土間の台所と3つの部屋があり、特に何か変わった様子はない。おそらく寝に帰ってきているだけであろう。着るものと書物が少しあるだけだ。何の手がかりも得られないので、西国領土になる国境付近の店を尋ねることにした。
「あっ、ここは?」
起きて見回し、明樹の部屋だと思い出す。起きだして美味そうなにおいがする台所のほうへ向かう。大きな身体の許仲典がかまどで何かを煮炊きしていた。
「仲典さん、何か作ってるの?」
「ああ、起きただか。もう出来上がるからそこに座るといい」
星羅が席に着くと、許仲典は深鉢を机の真ん中に置いて、小皿を出した。
「美味そうな角煮だね。すごい。仲典さんは料理が上手いんだな」
「いやあ、いい豚が手に入ったから、ちょっと煮込んだだ。さあ、熱いうちに」
「うん」
熱い肉の塊は口の中で柔らかくほぐれ消えていく。まるで許仲典その人のように、料理は星羅に優しくさりげなくしみ込んでいく。それと同時に明樹のことが心配になる。
「ちゃんと食べているんだろうか」
「きっと食べてるさ」
「だと、いいな」
「ほら、もっと食べろ? 旦那さんを探すのに体力いるぞ」
「そうだね」
回復を感じた星羅は、まず家の中を調べる。小さな家は土間の台所と3つの部屋があり、特に何か変わった様子はない。おそらく寝に帰ってきているだけであろう。着るものと書物が少しあるだけだ。何の手がかりも得られないので、西国領土になる国境付近の店を尋ねることにした。