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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第89章 89 『美麻那』
 女は星羅の隣に腰掛け食べる様子を眺める。

「いや、隣につかなくていい」
「あら、最近そういう人が多いのねえ」
「そういう人?」
「ここは宿屋でも食堂でもあるけどね。男に楽しんでもらう店でもあるのよ? この前も食事だけの男が何回か来たわね」
「ふーん」

 その男はきっと明樹だろうと星羅は推定する。咖哩を一口頬張った許仲典が「んん?」と変な声を出す。

「お口に合わないかしら?」
「いや、そうじゃねえんだが」
「仲典さんには刺激が強い?」

 星羅も一口放り込む。確かに何か舌に違和感を感じる。許仲典は手を付けるのをやめている。なんだか食べ進めることに不安を感じる。

「あの、香辛料は何が使われてる?」

 こってり化粧を施した女に尋ねると「さあ、あたしが作ってるんじゃないからわからないけど」と立ち上がって後ずさり始める。
 星羅と許仲典も、怪しい女の動きを見て立ち上がる。
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