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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第91章 91 帰国
「で、かあさまは?」
「お前たち夫婦と交換で西国に帰った」
「そんな!?」
「明樹殿は、医局長が解毒を始めている。命に別状はないからすぐ回復するだろう」
「かあさま……」

 一目も会えずに西国に帰った、いや奪われた京湖のことを思うと胸が張り裂けそうだ。

「かあさまを、取り返す」

 2人も母を奪った西国が憎くてしょうがない。起きだそうとする星羅を、郭蒼樹はなだめ力を籠め寝かしつける。

「だめだ。軍師として軽装な行動をとってはいけない。西国は京湖殿を引き渡さねば、象軍をけしかけるつもりだったのだぞ」
「そんな!」

 華夏国の北部ではもう飢饉で飢えている人が出ている。今の国難の状況で、西国から戦を仕掛けられたら国の存続が危うくなるかもしれない。

「父が言うには京湖殿は立派だったそうだ。一言も嫌だと言わずに帰国する決断をしたそうだ」
「かあさま、かあさま」

 自分を救うために、京湖は帰ったのだと星羅は泣くことしかできなかった。

「とにかく今は身体を厭え。泣いている暇も恋しがっている暇もない」
「ううっ……」
「京湖殿は生きているんだから」
「かあさま……」

 放心状態で泣き明かしている星羅をみて、郭蒼樹は抱きしめたい衝動が湧いたが、ぐっと抑えて外に出た。郭蒼樹は星羅と一緒にこの国難を乗り越えなければと軍師としての決意を固めていた。
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