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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第94章 94 薬
「明樹さま、粥を持ってまいりました」
さっき庭を掃いていた下女が今度は食事を運んできた。
「いつからここで働いている?」
「明樹さまがお戻りになる数日前からです」
「そうか。名は何と申す」
「小桜です」
「小桜か。いつも私の粥を?」
「ええ、奥様から昼の粥を任されています」
「ふうん」
「あの、こちらでよろしいでしょうか?」
小桜は寝台の隣の机に目をやる。明樹が頷くと小桜はコトリと粥の入った白い碗とレンゲを置く。
「味見もするのか?」
「はい、恐れながら、粥の具合をみさせてもらってます。今日は奥様も若奥様もいらっしゃらないので、あたしが運んできました」
「いつもありがとう。うまい粥だ」
「ありがとうございます!」
明樹に褒められて小桜は頬を染める。彼女の袖から出ている細い手首を見る。手も小さく華奢だ。肌の色も華夏人にしては色黒で、彫が深い。南西の出身なのだろうか。明樹は小桜を見ているうちに、なんだか頭がぼんやりし始める。そして着物の袖からそっと瓶をとりだし小桜に見せる。
「すまないが、この瓶の中身を一匙粥に入れてもらえないか」
「この中身をですか?」
「ああ……」
小桜は言われるまま、レンゲにそっと瓶を傾け中身を出す。催淫剤はとろっとしていて飴色だった。不思議なものをみるように小桜はそのとろりとした液体をそっと椀の中に入れてかき混ぜる。
さっき庭を掃いていた下女が今度は食事を運んできた。
「いつからここで働いている?」
「明樹さまがお戻りになる数日前からです」
「そうか。名は何と申す」
「小桜です」
「小桜か。いつも私の粥を?」
「ええ、奥様から昼の粥を任されています」
「ふうん」
「あの、こちらでよろしいでしょうか?」
小桜は寝台の隣の机に目をやる。明樹が頷くと小桜はコトリと粥の入った白い碗とレンゲを置く。
「味見もするのか?」
「はい、恐れながら、粥の具合をみさせてもらってます。今日は奥様も若奥様もいらっしゃらないので、あたしが運んできました」
「いつもありがとう。うまい粥だ」
「ありがとうございます!」
明樹に褒められて小桜は頬を染める。彼女の袖から出ている細い手首を見る。手も小さく華奢だ。肌の色も華夏人にしては色黒で、彫が深い。南西の出身なのだろうか。明樹は小桜を見ているうちに、なんだか頭がぼんやりし始める。そして着物の袖からそっと瓶をとりだし小桜に見せる。
「すまないが、この瓶の中身を一匙粥に入れてもらえないか」
「この中身をですか?」
「ああ……」
小桜は言われるまま、レンゲにそっと瓶を傾け中身を出す。催淫剤はとろっとしていて飴色だった。不思議なものをみるように小桜はそのとろりとした液体をそっと椀の中に入れてかき混ぜる。