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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第95章 95 地方の飢饉
 都からの救援物資を運び、県令のもとへ行く前に飢えた民に配給する。少しでも腹が満たされた民たちはそれ以上、暴力に訴えることがなかった。民が落ち着いた後、郭蒼樹は県令のもとへ兵士とともに赴き勅令を言い渡す。

「国難の際に、私欲にはしった県令を極刑に処す」

 やせ細った民たちが見守る中、速やかに刑は執行された。これからますます飢饉が厳しくなる前の見せしめでもある。県令は勅令を言い渡された後、泣いて命乞いをしたが蒼樹は顔色一つ変えず「勅令である」と静かに告げた。

 飢饉でなければもっと時間をかけた審議がなされ、刑の執行もすぐには行われなかっただろう。県令を長く生かせば、それだけ食料は減るのでこのような早い執行となる。例え、陥れられたとか、真っ当な言い分があっても無理だったろう。

 転がった県令の首は、ぷっくり膨らんでいて毬のように転がる。饅頭でもくっつけたような肥えた顔を見ると、どんな言葉があっても無駄だった。

 新しい県令はすでに配属済みだった。処刑を間近にみた新しい県令は、同じ過ちは犯すことはないだろう。
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