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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第95章 95 地方の飢饉
 一通り様子を見て帰路についたが、飢饉を横目に皆足取りは重かった。移動するだけでも、労力と食料を消費してしまうので大きな動きはしたくないのだ。

「今回のことで他の県令たちも慎ましくしてくれるといいのだが」
「そうね。まだ今年くらいは質素にやればなんとかもつと思うのだけど」
「約束通り、西国からすぐに救援物資も届いたことだし」

 西国のことを耳に入れると星羅は暗い表情を見せたので「すまん」と蒼樹は謝り話をやめた。
 2人の後ろでは、許仲典と柳紅美が控えている。

「帰ってきてから陰気なのよね。同情買うつもりかしら」

 嫌みを言う柳紅美に許仲典は「おめえは性格が悪そうだな」と率直に言う。

「な、なによっ」
「人の悪口ばっか言ってると嫁にいけねえぞ?」
「人のこと言えんの? あんたみたいな愚図っぽい男、嫁の着てがないわよ」
「おらはええ。星羅さんに仕えてるから」
「ふんっ!」

 興奮した柳紅美を、蒼樹が静かに諭す。

「紅妹。あまり労力を使うな。使うなら頭を使え」
「ぐっ」

 それから都につくまで柳紅美は静かに馬に乗っているだけだった。
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