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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第98章 98 王太子候補
「どうでしょう。本当は杏華公主が男児をお生みになっていたが、母子ともに療養中であったため公表できなかったことにすれば」
「まあ!」
「ほう」
慶明の提案に、隆明と桃華は顔を明るくする。
「あ、しかし星羅殿が承知するのかしら。杏華はきっと子供を喜んで慈しむと思うわ」
「こちらの都合だけで話してしまったが、星羅に話してみないとな。慶明頼めるか?」
「ええ。きっと星羅も良い話だと思うでしょう」
慶明は早速、今夜にでも星羅に話そうと話の手順を考えた。それと同時に、徳樹の立太子を邪魔する人物をどうにかしなければと考え始めている。
慶明が去ったあと、隆明と桃華は二人で庭に出た。手入れは良くされているが、気候が寒冷化され花は咲かなくなっている。
「また温かくなったらそなたの好きな花でも植えようか。好きな花はあるか?」
桃華はこうして隆明を一緒に歩くことが出来、心に花が咲き乱れるような気持だった。
「春に咲く花ならなんでも好きですわ」
「そうか。もっと他にも好きなものを聞かせておくれ」
「ええ」
30年近く過ぎてやっと心を通わせ会う二人に、優しい風が流れる。桃華は初めて安心と幸福を感じている。今、飢えて死んでも心は満たされている。
「まあ!」
「ほう」
慶明の提案に、隆明と桃華は顔を明るくする。
「あ、しかし星羅殿が承知するのかしら。杏華はきっと子供を喜んで慈しむと思うわ」
「こちらの都合だけで話してしまったが、星羅に話してみないとな。慶明頼めるか?」
「ええ。きっと星羅も良い話だと思うでしょう」
慶明は早速、今夜にでも星羅に話そうと話の手順を考えた。それと同時に、徳樹の立太子を邪魔する人物をどうにかしなければと考え始めている。
慶明が去ったあと、隆明と桃華は二人で庭に出た。手入れは良くされているが、気候が寒冷化され花は咲かなくなっている。
「また温かくなったらそなたの好きな花でも植えようか。好きな花はあるか?」
桃華はこうして隆明を一緒に歩くことが出来、心に花が咲き乱れるような気持だった。
「春に咲く花ならなんでも好きですわ」
「そうか。もっと他にも好きなものを聞かせておくれ」
「ええ」
30年近く過ぎてやっと心を通わせ会う二人に、優しい風が流れる。桃華は初めて安心と幸福を感じている。今、飢えて死んでも心は満たされている。