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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第99章 99 兄と妹
 太極府を出て、陸家に戻り、ロバの明々と、馬の優々に会った。明々はますます老いた。もういつ逝ってもおかしくないだろう。

「ありがとう。あなたたちもきっとわたしのために居てくれるのよね」

 明々は「ヒィ」と短く鳴き、優々は「ヒンッ!」と力強く鳴いた。京樹も本当はすぐにでも西国に向かったほうが良いであろうが、星羅のためにぎりぎりまで華夏国に居ようとしている。京樹は西国の民のために大事な王になるだろう。いつまでも華夏国に居させては彼の時間が惜しい。

「立ち直らなければ……」

 愛する人を亡くしたときにどうやってみんな立ち直るのか。王朝の祖である高祖もこのような辛い気持ちになったのだろうか。

「そういえば、高祖も、愛する人をいつまでも忘れずによく泣いたと伝記にあったわ」

 どうやっても明樹が生き返ることはない。だからと言って悲しい気持ちがなくなることもない。しばらく明々と優々の前で泣いて、落ち着きを取り戻してから、慶明に徳樹の養子の件を話し合うことにした。
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