この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第100章 100 母親
徳樹を連れ、星羅は杏華公主のもとへ向かう。杏華公主は以前、曹隆明が王太子だった頃に住んでいた白壁の優美な屋敷に住んでいる。
「何年前だったかしら?」
隆明の私的な宴を思い出す。あの頃は希望に燃えていて、挫折も悲しみもなく目の前が明るい毎日だった。門番に身分の札を見せるとすぐに中に通される。以前のように咲き誇る花はなく、食用の草木が植えられている。王族といえども民を差し置いての贅沢は許される状況になかった。
「ほらみて徳樹。これは食べられる草なのよ」
しゃがんで星羅は指をさすと、徳樹も屈んでよく観察する。
「ぼくもご飯、これにする」
「ええ。粥に混ぜて食べましょう」
庭を歩き杏華公主の住まいに近づくと、官女がやってきてどうぞと案内を始める。広く手入れの行き届いた庭を抜け広間に通される。
「ここでお待ちください」
何代にもわたって使われてきた調度品は黒光りし、強い存在感がある。この何百年という年代物の調度品に星羅は感銘を受ける。今の流行ではない細工は重々しく無骨な雰囲気もあるが、何代もの王太子を知っている。もしかしたらこの古めかしい椅子は高祖も座ったかもしれない。
「何年前だったかしら?」
隆明の私的な宴を思い出す。あの頃は希望に燃えていて、挫折も悲しみもなく目の前が明るい毎日だった。門番に身分の札を見せるとすぐに中に通される。以前のように咲き誇る花はなく、食用の草木が植えられている。王族といえども民を差し置いての贅沢は許される状況になかった。
「ほらみて徳樹。これは食べられる草なのよ」
しゃがんで星羅は指をさすと、徳樹も屈んでよく観察する。
「ぼくもご飯、これにする」
「ええ。粥に混ぜて食べましょう」
庭を歩き杏華公主の住まいに近づくと、官女がやってきてどうぞと案内を始める。広く手入れの行き届いた庭を抜け広間に通される。
「ここでお待ちください」
何代にもわたって使われてきた調度品は黒光りし、強い存在感がある。この何百年という年代物の調度品に星羅は感銘を受ける。今の流行ではない細工は重々しく無骨な雰囲気もあるが、何代もの王太子を知っている。もしかしたらこの古めかしい椅子は高祖も座ったかもしれない。