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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第100章 100 母親
官女が毬をもってきて徳樹に与えると、彼は官女を相手に遊び始める。
「まあまあ。こどもの笑い声っていいわね」
「ええ」
「こんなに楽しい気持ちになるのは初めてかもしれないわ」
母である王妃、桃華も彼女自身の不安と心配で臥せってばかりだったので、杏華公主を可愛がったことはない。
「かあさま! 母上!」
徳樹は官女とかけっこをして勝ったので、嬉しそうにこちらに手を振る。杏華公主は微笑んで手を優しく振り返す。自分よりも母の喜びを杏華公主は感じているのではないかと星羅は考える。
植物の乏しくなった庭で、徳樹はきらきら輝いている。死人のようだと噂される杏華公主も生き生きと命を謳歌し始める輝きが見える。
星羅は二人をまぶしく見つめる。亡き夫、陸明樹のことを思うと悲しくて辛いが、この命の輝きに触れると、死にたいとは思わなくなっていた。
「まあまあ。こどもの笑い声っていいわね」
「ええ」
「こんなに楽しい気持ちになるのは初めてかもしれないわ」
母である王妃、桃華も彼女自身の不安と心配で臥せってばかりだったので、杏華公主を可愛がったことはない。
「かあさま! 母上!」
徳樹は官女とかけっこをして勝ったので、嬉しそうにこちらに手を振る。杏華公主は微笑んで手を優しく振り返す。自分よりも母の喜びを杏華公主は感じているのではないかと星羅は考える。
植物の乏しくなった庭で、徳樹はきらきら輝いている。死人のようだと噂される杏華公主も生き生きと命を謳歌し始める輝きが見える。
星羅は二人をまぶしく見つめる。亡き夫、陸明樹のことを思うと悲しくて辛いが、この命の輝きに触れると、死にたいとは思わなくなっていた。