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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第101章 101 柳紅美の結婚
紅美の能力も、夫になった許仲典に発揮されている。将軍職に就いたのは、彼自身の功績もあるが、紅美の進言や策も大きかった。彼女がいなければ、許仲典の階級はもう3つばかり下だろう。
「寂しくなるわ」
「うふふ。清々するんじゃなくて?」
「そんなこと」
「いいのいいの。あたしはこれから夫専門の軍師になるの。あたしのおかげできっと大将軍になるわよ?」
自信満々そうな紅美に「おらはもうええ。出世するとめんどうだ」と許仲典が大きな息を吐く。
「ま! 持ってる能力を生かさないことは罪よ?」
「えー」
紅美の考えには星羅も賛成だった。才をきちんと使う。適材適所を探す。これらに尽きると星羅も思う。二人の仲の良い様子を見ながら、星羅は明樹の言葉を思い出す。
『俺が上将軍、星妹が軍師になればどんな敵でも打ち破って、母君を救い出せるさ』
まだ軍師になる前の、兄と慕っていたころだった。あの頃は、無邪気に仲良くじゃれているだけだった。
「星羅さんは、がんばって。女性初の大軍師になって欲しいと思ってるわ」
「ありがとう。蒼樹にはかなわないと思うけどがんばるわ」
「星羅さんならきっと立派な軍師になれるど!」
別れを告げ、それぞれ反対方向へ向かった。
「星羅さんは大丈夫かな?」
許仲典が心配そうにちらっと振り返った。
「大丈夫。彼女は強いから」
「おめえのほうが強そうだ」
「そんなことないわよ。あたしはか弱いんだから」
「は、はあ」
「星羅はなんていうか、もともとの志が高いからきっと乗り越えると思う。いざとなれば蒼にいだっているし」
「ふーん」
「ああ、袁幸平もちょっかい出してるし」
「あの女好きが心配だな」
「蒼にいがもうちょっと出ていけばいいんだけどなあ」
「おめえ、案外、星羅さんを心配してるんだな」
「えっ、そうでもないけど」
「前は嫌な奴だったのに、いいやつだな」
「な、なによっ」
「さ、かえろう」
許仲典はきゅっと紅美の手を握る。紅美もそっと握り返す。二人で星を数えながら仲良く家路についた。
「寂しくなるわ」
「うふふ。清々するんじゃなくて?」
「そんなこと」
「いいのいいの。あたしはこれから夫専門の軍師になるの。あたしのおかげできっと大将軍になるわよ?」
自信満々そうな紅美に「おらはもうええ。出世するとめんどうだ」と許仲典が大きな息を吐く。
「ま! 持ってる能力を生かさないことは罪よ?」
「えー」
紅美の考えには星羅も賛成だった。才をきちんと使う。適材適所を探す。これらに尽きると星羅も思う。二人の仲の良い様子を見ながら、星羅は明樹の言葉を思い出す。
『俺が上将軍、星妹が軍師になればどんな敵でも打ち破って、母君を救い出せるさ』
まだ軍師になる前の、兄と慕っていたころだった。あの頃は、無邪気に仲良くじゃれているだけだった。
「星羅さんは、がんばって。女性初の大軍師になって欲しいと思ってるわ」
「ありがとう。蒼樹にはかなわないと思うけどがんばるわ」
「星羅さんならきっと立派な軍師になれるど!」
別れを告げ、それぞれ反対方向へ向かった。
「星羅さんは大丈夫かな?」
許仲典が心配そうにちらっと振り返った。
「大丈夫。彼女は強いから」
「おめえのほうが強そうだ」
「そんなことないわよ。あたしはか弱いんだから」
「は、はあ」
「星羅はなんていうか、もともとの志が高いからきっと乗り越えると思う。いざとなれば蒼にいだっているし」
「ふーん」
「ああ、袁幸平もちょっかい出してるし」
「あの女好きが心配だな」
「蒼にいがもうちょっと出ていけばいいんだけどなあ」
「おめえ、案外、星羅さんを心配してるんだな」
「えっ、そうでもないけど」
「前は嫌な奴だったのに、いいやつだな」
「な、なによっ」
「さ、かえろう」
許仲典はきゅっと紅美の手を握る。紅美もそっと握り返す。二人で星を数えながら仲良く家路についた。