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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第105章 105 胡晶鈴の足跡
「さて、その女の処分だが……」
「この者に非はありません。自国に帰してやるがよいでしょう」
「いや。わしをぬか喜びさせおって……。ちょうどよい。浪漫国に向かう隊商がいるだろう。この女を奴隷として売ってやろう」
「そ、そんな」
「浪漫国は人種が違う者を奴隷にするのが好きだからな。高く売れるだろう」

 老人は晶鈴に今までの話を告げた。

「すまぬな。そなたは華夏国へと戻れぬようじゃ」
「いいのよ。あなたのせいではないわ」
「わしにもっと力があれば……。ラージハニ様……」

 この老人が京湖を慕っていて、バダサンプには心から従っていないことはよくわかった。晶鈴はこの老人に京湖は元気だと、今のうちに逃げることが出来るだろうと告げてやりたかったが、余計な言動は慎んだ。

ただ一言「20年ちょっとの我慢ですわ」と老人に告げた。

 この時の晶鈴にはなぜだかわからないが、そんな言葉がつい口から出た。

晶鈴がこの国を去って20年過ぎに、ラージハニこと朱京湖がみつかり、彼女によってバダサンプが暗殺されたとき、老人は予言だったのだと気づいた。
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