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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第108章 108 解放
「では、私の屋敷に参ろう。手を取って」

 ジャーマンが手を差し伸べたが、晶鈴は出会ったばかりの男の手を取る習慣はなくじっと彼の手を見た。

「ほら、繋いで」
「え、繋ぐのですか? 手を引いてもらう必要はありませんが」
「ふふふっ。言葉で説明するよりも行動で示したほうが良いだろう。さあっ」

 ジャーマンは強引に晶鈴の手をとり握る。

「目を閉じて」
「目を?」
「うん。良いというまで空けないように」
「はあ……」

 考えてもよくわからないので、晶鈴は彼の言うとおりに目を閉じ「空けていいですよ」と言われて目を開いた。

「え?」

 今まで居た、石畳とフガー家はすっかりなくなり、深い森の中にいた。

「ここは……」

 空気もしっとりと湿り気を含み、涼しい。

「ほらね。場所を変えるのに資金が必要ではないのだ」

 何かに化かされているかのように、晶鈴はジャーマンの誘うまま、彼の森の中の立派な屋敷に入っていた。こうして晶鈴は彼のもとで不思議な術を学ぶ。
晶鈴はジャーマンの見込んだ通り呑み込みが早く、彼の教える色々な技を覚えていった。それでも思考と肉体の解放に数年かかった。
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