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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第109章 109 旅立ち
「母上? 母上!」
あたりをきょろきょろ見渡したが晶鈴の影も形もない。
「行ってしまわれた」
あっという間の再会が終ってしまった。しかし不思議と悲しい気持ちにはならなかった。飄々として風のようにつかみどころのない少女のような母だった。
「今、また追いかけても、もういないのだろうな」
馬に乗ってまたさっきの町に行ったところでどうなるものでもない。ずっと胸につかえてたものが下りる気がしていた。ただ残念なのは、せっかく浪漫国の言葉を学習していたのに使えなかったことだ。
「母上、お元気で」
北に向かう晶鈴に祈りを込めて言葉を発する。眠った明々と優々を起こさないようにそっと厩舎を出て夜空を仰ぐ。北の空には北極星が輝いている。
北へ旅する晶鈴はきっとこの星眺めるだろうと、しばらく星羅は北極星を見つめ続けた。
あたりをきょろきょろ見渡したが晶鈴の影も形もない。
「行ってしまわれた」
あっという間の再会が終ってしまった。しかし不思議と悲しい気持ちにはならなかった。飄々として風のようにつかみどころのない少女のような母だった。
「今、また追いかけても、もういないのだろうな」
馬に乗ってまたさっきの町に行ったところでどうなるものでもない。ずっと胸につかえてたものが下りる気がしていた。ただ残念なのは、せっかく浪漫国の言葉を学習していたのに使えなかったことだ。
「母上、お元気で」
北に向かう晶鈴に祈りを込めて言葉を発する。眠った明々と優々を起こさないようにそっと厩舎を出て夜空を仰ぐ。北の空には北極星が輝いている。
北へ旅する晶鈴はきっとこの星眺めるだろうと、しばらく星羅は北極星を見つめ続けた。