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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第111章 111 最後
後ろから「行ってしまったな」と郭蒼樹に声を掛けられた。西国の王の隊列を見送っていた人々はもうすでに戻っている。いつまでも星羅は見送っていたのを、蒼樹は見守っていたのだ。
「兄はきっといい王になるわ」
「ああ、そうだろう」
しんみりする気持ちをごまかすように「王妃になって一緒に西国へこないかって誘われてたのよね」と星羅は明るく言う。
「王妃に?」
蒼樹は鋭い声で尋ねる。
「母に会った時に、今度求婚されたら受けるようにって言われたから、少し意識してしまったわ」
「受けなかったのか」
「うん、だって母に言われる前だったから、求婚を受けなさいって話は」
「じゃあ、誰かに求婚されたら受けるのか?」
「そうねえ……」
「袁殿とはどうなっている?」
「袁殿? さあ、よく食事に誘ってくれるわね。さ、帰りましょう」
星羅の後を蒼樹は難しい表情で付いて行った。
「兄はきっといい王になるわ」
「ああ、そうだろう」
しんみりする気持ちをごまかすように「王妃になって一緒に西国へこないかって誘われてたのよね」と星羅は明るく言う。
「王妃に?」
蒼樹は鋭い声で尋ねる。
「母に会った時に、今度求婚されたら受けるようにって言われたから、少し意識してしまったわ」
「受けなかったのか」
「うん、だって母に言われる前だったから、求婚を受けなさいって話は」
「じゃあ、誰かに求婚されたら受けるのか?」
「そうねえ……」
「袁殿とはどうなっている?」
「袁殿? さあ、よく食事に誘ってくれるわね。さ、帰りましょう」
星羅の後を蒼樹は難しい表情で付いて行った。