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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第111章 111 最後
 朝議では今後の国の方針を話し合う。気候の寒冷化が緩やかになったとはいえ、油断はできない。国策として更に食料の自給率を上げさせることにし、農民が増えるほど、治める税率を下げていくことにした。

 星羅は新しい農産物を生み出すことを推奨したいと提言する。寒暖に耐えうる作物、もしくは寒さに強いもの、暑さに強いものを作り出し、更に保存が良いものを開発することを国家で行ってはどうかと発案した。
 至極真っ当な意見として受け入れられ、これからはより食に関して国家を上げての動きを見せていくだろう。

 星羅は自分の提言を受け入れられ、久しぶりに明るい気分で帰宅した。厩舎に馬の優々を連れて入る。

「明々、ただいま」

 優々を柵の中に入れ、眠っているだろう明々に話しかける。いつも帰ると顔を上げる明々がうつむいたままだった。

「明々? よく眠っているの?」

 そばに近寄ってそっと撫でるとやっと明々は顔を上げた。

「ひ、ん……」

 一言啼いて笑ったような悲しそうな表情を見せた明々はまた目を閉じた。そっと星羅は優しく撫で続ける。

「明々……?」

 鼻面を撫でた時、明々の呼吸が感じられなかった。明々が静かに絶命したのだ。

「明々っ!」

 もう明々は目を開けることはなかった。ちょうど胡晶鈴が明々に与えた岩塩が無くなったところだった。明々は晶鈴に会うまで頑張って生きていたのだろうか。それとも星羅が一人前になるまで生き延びていたのだろうか。まだぬくもりを感じる明々の身体にしがみついて星羅は泣いた。

 しばらく泣き続け、明々の体温が感じられなくなるころ、かさっと物音がしたので見上げると、月明かりの逆光を受けた大きな影が「どうした?」と声を掛けてきた。
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