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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第113章 113 再嫁
 結婚したとはいえ、二人の仕事に変化があるわけではなかった。飢饉によって南下してきた人々をどこへ定住させるか。または戻すか。
地方によって影響の大きなところと小さなところがあるため、国からの援助をうまく采配する必要がある。農業に従事する者への報償や助成。殺伐として一触即発の地域への軍の派遣。やることが山積みだった。

「お茶でも飲む?」

 持ち帰った仕事が片付いたので星羅は、書き物をしている蒼樹に声を掛けた。

「ん、もうちょっとで終わるから酒でも飲みに行こう」
「いいわ」

 2人で近所の千花酒家に酒を飲みに出る。酒だけはあるので何とか営業している食堂だった。店の亭主が「今夜は少しつまみを出せますよ」と笑顔を見せた。

「そうか、ではそれと酒を頼む」

 やっと作物が多く収穫され始めたのだ。青菜の油いためを大事につまみながら星羅と蒼樹は酒を傾けた。

「少しずつ回復してきてるわね」
「ああ、なんとか国が傾かずに済んだな」

 2人で祝杯を挙げるように乾杯と言って杯を空ける。店では常連の客が数名、静かに酒を飲んでいる。いつかまた賑やかに、飲み食いして明るく騒げる日が来るだろうか。

「もう少しゆっくりしたいが」
「そうね」
「さて、明日も早い。帰ろう」

 結婚してから、蒼樹は歩くのがゆっくりになった。夜道を二人で並んでゆっくり歩き、ロバの明々の墓に立ち寄ってから屋敷に入った。
 寝台に上がると、星羅は倒れこむように寝付く。蒼樹は星羅の寝顔を見つめてから眠りについた。
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