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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第14章 14 都を後にして
 日の出を前にして薄暗い外から、住んでいた小屋を眺める。

「もうここに住むことはないのね」

 子供のころに故郷を離れる時よりも少し感傷的になった。

「隆明兄さま……」

 平坦な腹をさすり曹隆明を思う。彼に何も告げることなく都を出ていく自分をどう思うだろうか。彼はもっと孤独になってしまうのだろうか。今まで考えたこともないような心配がいっぺんに晶鈴の胸に押し寄せてきた。占ってみようかと思い立ったがやめた。心が騒めいたままで占ってもどうにもならないことを知っているからだ。

 現在の後宮は、正室に側室4人と人数が決まっていて、王と過ごす期間もほぼ決まっている。正室に子供ができれば、次々に側室と過ごし、5人まで子ができればまた正室と過ごす。
 太古の後宮のように数多くの女人たちが、寵愛を競うことはなく、王が寵愛をローテーションで与えていくことになるのだ。順番が確実にやってくるので、妃たちに不満は出ず、競い合うことも、蹴落とすこともなくなった。
 王のほうも、気に入った妃を贔屓することはできない。お気に入りの妃ができても、その者との蜜月は期間が決まっている。このシステムのおかげで王朝は長らく安定している。

 隆明も即位し王となり5人の妃がいれば、気の合うものも出てくるだろう。 腹の子の父親が明らかになっても、王族から認知してもらえることはないだろう。過去には嫉妬に狂った妃から毒殺される王子や王女がいたが、今は王朝そのものから、計算外の子として抹殺されるかもされない。
 王朝の安定は、計画と計算と予知の賜物でもある。太子の隆明には自由な恋愛、選ばれていない女人と子を成すことはあってはならないことだった。
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