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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第16章 16 進路変更
「都の医局に行くこともあるのかしら?」
「ああ、今回はとっておきの異国の薬草を手に入れたので行ってくるよ」

 庶民の薬局では扱えないような珍しいものを、都の医局は調査のために買い取っている。

「もし医局で陸慶明という人に会ったら、晶鈴は元気にしていると伝えてくれるかしら」
「ああ、まかしてくれ」

 気のいい男としばらく食事を楽しみ別れた。晶鈴は急ぐ旅ではないが、男は門が開き次第、出発するということだ。部屋に戻り晶鈴は地図を開いた。
 中央の都から少し北西に進んでいる。故郷に帰ったところでどうだろうかと思案する。流雲石をとりだしてみる。

「占ってみようか……」

 東西南北の方位それぞれに卦を出してみる。北には水、南には人、東には火、西には母と出た。

「確か南西の町が温かくて食べ物も豊富だって言ってたかしら」

 さっきの会話を思い出し、自分の出した卦を眺め晶鈴は進路を南西に取ることにした。

「人と母……」

 自分のための占いはそこから何もイメージがわかない。当たっているのかさえ分からない。しかし彼女は自身のインスピレーションを信じることにした。 
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