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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第20章 20 最後の町
「何観ようか?」
「まあ、一応、今後のこと」
「インテリーゴ(わかったわ)」
黒い布の上に美しい絵が描かれた手のひら大の紙片が置かれる。
「この紙をつかって占うの?」
「そうよ」
初めて見るカードというものに晶鈴は目を奪われる。カードを混ぜる彼女は爪が長く伸びていて、その爪は赤く染められていた。太極府では見ることができなかった、占術を目の当たりにし晶鈴は興奮する。陳賢路老師に見せてあげたい、と久しぶりに太極府を思い出した。
「いい出会いがあるけど、あなたの運命も変わるわ」
「いい出会い……。運命」
「その運命はあなたにとっては不運でもあるし幸運でもある」
「そう……」
晶鈴の表情を見て、女は笑んだ。
「何にでも当てはまることを言われてると思ってるでしょう」
「えっ、あ、いえ……」
「いいのいいの。たいていの占い師はそうだから。でも聞いてカードの言葉を」
女の目がうつろになり、視点が定まらない。空気が変わった雰囲気に晶鈴は緊張して次の言葉を待った。
「まあ、一応、今後のこと」
「インテリーゴ(わかったわ)」
黒い布の上に美しい絵が描かれた手のひら大の紙片が置かれる。
「この紙をつかって占うの?」
「そうよ」
初めて見るカードというものに晶鈴は目を奪われる。カードを混ぜる彼女は爪が長く伸びていて、その爪は赤く染められていた。太極府では見ることができなかった、占術を目の当たりにし晶鈴は興奮する。陳賢路老師に見せてあげたい、と久しぶりに太極府を思い出した。
「いい出会いがあるけど、あなたの運命も変わるわ」
「いい出会い……。運命」
「その運命はあなたにとっては不運でもあるし幸運でもある」
「そう……」
晶鈴の表情を見て、女は笑んだ。
「何にでも当てはまることを言われてると思ってるでしょう」
「えっ、あ、いえ……」
「いいのいいの。たいていの占い師はそうだから。でも聞いてカードの言葉を」
女の目がうつろになり、視点が定まらない。空気が変わった雰囲気に晶鈴は緊張して次の言葉を待った。