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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第21章 21 陶工夫婦
 宿屋に住まいが見つかるまで滞在させてほしいと頼むと、主人は快く承知してくれた。前払いできちんと部屋代を支払う上客の晶鈴を断るはずがなかった。行き交う人は多くても、案外宿にちゃんと泊まるものが少ないらしく、部屋が完全に埋まることがないらしい。一番奥まって静かな部屋を選ばせてもらった。ロバの明々も一所に落ち着く気配を感じたのか、のんびりした顔がさらに間延びしている。

「たまに散歩させなきゃいけないわね」

 馬小屋に預けっぱなしもよくないだろうと、朝、一緒に出勤することにした。都に比べると勿論小さい町だが、活気はすさまじい。洗練されていてシックな都とは違い、サイケデリックなカラフルさとモードがある。
 用意した紺色の布を小さな丸い机に掛け、座って客を待つ。隣ではロバの明々がのんびり草を食べている。前を通り過ぎる人は多く、チラチラ晶鈴を見るが腰掛ける者はいない。

「そりゃあ。そんなに占いが必要な人もいないわよね」
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