この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第21章 21 陶工夫婦
半日じっと座っていたが誰も来ない。こんなものかと思っていると、ロバの明々とは逆隣から声がかかった。
「あの、占い師さん?」
声のほうを向くと、滑らかで甘栗のような艶やかな茶色の肌に、黒い眉と瞳を持つ女性が微笑んでいる。彼女の隣には重ねられた白い器が大量にある。
「え、ええ。あなたは陶工?」
「うふふ。主人がね。私は店番なの。どうせこのおなかじゃ身動き取れないし」
「あら、お仲間ね」
「まあ! 子供たち同い年になるわね」
「そうね」
お互い自己紹介をする。彼女は朱京湖と名乗り、もっともっと南方から来たのだという。おっとりした雰囲気がなんだか曹隆明を思わせ懐かしさと親しみを感じた。そのうち彼女の夫が帰ってきた。がっしりとした体格に鋭いまなざしを持ち、やはり南方出身なのであろう、浅黒い肌に墨のような黒い髪と瞳を持っている。
「あなた、占い師の胡晶鈴さんよ。お友達になったの」
「はじめまして」
男はじっと一瞬晶鈴を見据えた後名乗る。
「朱彰浩と申す」
一言だけだった。ぶっきらぼうな雰囲気だが、悪意も敵意も感じられないので晶鈴はとくに悪い印象も持たなかった。
「あの、占い師さん?」
声のほうを向くと、滑らかで甘栗のような艶やかな茶色の肌に、黒い眉と瞳を持つ女性が微笑んでいる。彼女の隣には重ねられた白い器が大量にある。
「え、ええ。あなたは陶工?」
「うふふ。主人がね。私は店番なの。どうせこのおなかじゃ身動き取れないし」
「あら、お仲間ね」
「まあ! 子供たち同い年になるわね」
「そうね」
お互い自己紹介をする。彼女は朱京湖と名乗り、もっともっと南方から来たのだという。おっとりした雰囲気がなんだか曹隆明を思わせ懐かしさと親しみを感じた。そのうち彼女の夫が帰ってきた。がっしりとした体格に鋭いまなざしを持ち、やはり南方出身なのであろう、浅黒い肌に墨のような黒い髪と瞳を持っている。
「あなた、占い師の胡晶鈴さんよ。お友達になったの」
「はじめまして」
男はじっと一瞬晶鈴を見据えた後名乗る。
「朱彰浩と申す」
一言だけだった。ぶっきらぼうな雰囲気だが、悪意も敵意も感じられないので晶鈴はとくに悪い印象も持たなかった。