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M嬢のいる風景
第9章 監視・観察・蹂躙

この「アプリ」と呼ばれる物を製作されたのは、ご主人様がお持ちの「マゾヒスト」の中のお一人で、私の「娘」と同じ齢の方です。
「モノリス」のシャッターの音が鳴らなくする仕組みも、この方の製作された「アプリ」のおかげだそうです。
「アプリ」の使用をご主人様に命じられているのは、今のところ、この方と私だけとの事です。
「アプリ」を製作された「マゾヒスト」の方について、ご主人様は「生来のニンフォマニア(多淫症)であると同時に、それを咎め、罰する存在を欲するマゾヒスト」と評されています。
ご主人様がおっしゃいますには、「三日とあけずに、男を誘惑して、ホテルに連れ込み、セックスに興じ、精液をたんまりと絞りとらないと、死んでしまう様な」方らしいのです。
この方の「男たらし」ぶりを「観察」する為に、この方自身に製作させたのが「アプリ」なのだそうです。
その事をご主人様からご教示頂いた時には、同じマゾヒストなのに、その嗜好には色々とあるのだなと、ただただ驚愕し、茫然といたしました。
この方の様なマゾヒストには、とうていなれないと思いました。なりたくないとも思いました。
ご主人様も「あれはあれ。お前はお前。それぞれにあった奴隷ぷりがあるのだから」と、私なりのマゾヒズムに邁進するようにおっしゃって下さいます。
ですから、私は、今までの淑やかで慎ましやかな習慣を変えることもせず、寡婦の様な生活を続けております。
減り張りの乏しい、退屈とも取れる私の生活の様子を、ご主人様は「これも、また、良い風景」と評して下さいます。
私は、恥ずかしくも、大変に嬉しいです。
また、ご主人様は「位置精度がもう少し上がると良いのだが。これだと、お前が自宅に居るのはわかっても、具体的にどの部屋に居るのかまでは判然としない。お前がトイレにいつ入って、どれくらい居座っていたか、なんてことまで分かると良いのにな」という様なご不満も漏らされたりします。
その様な言葉を聞くと、私自身は羞恥に染まりつつも「そうなれば、この幸せが更にどれほどに増すことになるのでしょうか」と考え高揚してしまいます。

