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女子大生綾子の淫らなポテンシャル
第29章 公演当日の女たちのフラグメント ミドリの昇華


公演当日、ミドリは誰よりも早く会場に来ていた。
ホテルから歩いてすぐ、ということもあっただろう。
構内に入れてもホールはまだ開いていなかった。

ホールの横には、紫陽花の大きな株がいくつもあった。
梅雨の晴れ間の朝陽に照らされて輝いていた。
まるで綾子ちゃんみたいね。
ミドリの中では紫陽花は綾子を思わせるところがあった。

最初に真っ白だった花が、だんだん色づいていく。
土の中に含まれている成分によって、ピンクになったり、
青になったり、紫になったり、様々だ。
綾子もこれから出会うオトコによって
いろいろな表情を見せるのだろうか。

「ミドリ先輩、早かったんですね」
「ごめんね、呼び出しちゃって。やっぱり
一度、練習しておかなくっちゃって」

現れたのはタツヤだった。
守衛を引き連れてやってきた。
「今、開けてもらってますから。
あ、この紫陽花、いいですよね。
僕、初めて綾ちゃんのことを意識したのが
ここの紫陽花見て、涙ぐんでいる時でした。
怒られちゃった時」

「ああ、そんなことあったわね。
でも偶然ね、私も紫陽花見て綾子ちゃんのこと考えてた。
昨日ね、私の白のワンピース買う時、
紫陽花カラーのワンピース、買うの手伝ってあげたのよ」

「へ〜、紫陽花カラーって、何色だろ、
いろいろありますから」
「それはお楽しみよ〜。
公演終わったらさ、夜、三人で打ち上げしようよ」
「いいですけど、部の打ち上げは?」
「私は、出ないわ。公演でおしまい。
さっさといなくなるわよ」

「みんな寂しがりますよ」
「それくらいがいいのよ。
あなたたちは、後から来ればいいわ。
これ、持ってて、二つあったから」
タツヤはミドリからカードキーを渡された。

「そしたらそこで綾子ちゃんに、着替えてもらおうっと。
すごい綺麗だったんだから」
「本当ですか?」
「中も外もね」
「中って?」

「下着、プレゼント仕上げたの。試着したらぴったり」
「そんなことまで」
「まあ、想像しておきなさいよ。一昨日より、もっと
似合うのだから」
「ちょっともう、よしてくださいよ」
「とかいって、想像してるでしょ」
「しますけど、」
「ま、あなたたちお似合いよ。
さ、練習練習」

守衛が開けてくれたホールに入った。
シンと静まり返っている。
ここが午後には人で溢れ、そして、
ミドリの美麗な姿が見られるはずだ。
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