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女子大生綾子の淫らなポテンシャル
第30章 公演当日の女たちのフラグメント 綾子の嫉心


早起きしてしまった綾子が
公演会場の大学のホールにやってくると先客がいた。
中からミドリの声がする。
「いいと思います〜」
タツヤの声だ。
二人とも早い。
さすがミドリ先輩も気合が入ってるのね。
でも、もうやることなかったんじゃないかな、、
二人っきりなのかな。

「おはよううございます〜」
「あら、綾子ちゃん、早かったのね。
ちょうど終わるところだったわ。
タツヤくん、お疲れ様〜。
じゃ、あとは、本番ね。おかげでいいものになりそうだわ」
「ですね」
「じゃ、私は、着替えにホテルに戻るんで、
あ、綾子ちゃん、ちょうどよかった、
それ、持っていってあげるわ。
置くとこないでしょ」
「いいんですか。ありがとうございます!」
大きなショッピングバッグを見てわかったらしい。
昨日一緒に買ったワンピースだ。

昨日の帰り際、こう言われてたから持ってきてた。
「公演終わった夜、二人で着てみない?
打ち上げだからどうせ帰れないでしょ」
「ミドリ先輩と一緒になんて夢みたいです」
「私はいいのよ、彼氏に見せてあげないとね〜」
「もう、、先輩ったら」
そんな会話があった。
そうだ、今夜帰れないと思うって、
同部屋の真紀ちゃんにはもう伝えてあった。
「へぇ〜」と言ってニヤニヤしてた。
「キミ、顔がオンナになってきてるよぉ」
何もかも見透かされているのかもしれない。

ミドリは「あ、これ、照明室で預かっといて、綾子ちゃん。
私物だから見ないでね〜」
そう言い残して去って行った。

タツヤと二人きりになる。
なんだか、緊張する。
一昨日より、もっと緊張する。
「どうしたの、綾ちゃん」
タツヤの方はいつも通りらしい。

「え、その、あの、、
今日、頑張りましょうね。
朝から、何かあったんですか」
「昨夜、ミドリ先輩から急に連絡あって、
最後のところ変えたいって」
「そんなことしていいんですか?」

「僕もそういったんだけど、
私の命令でって言われちゃって」
「で、昨夜、そんな打ち合わせを?」
「電話だよ、もちろん。
僕ももう、寝る準備してたしさ」

「そうですよね、夜は、、
、、、あの、、、私、、、」
「どうしたのモジモジして、」
「あの夜の11時に、ひとりでちゃんとしました。
先輩と約束した、、あれ、、」
「え、本当にしたの?」
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