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女子大生綾子の淫らなポテンシャル
第31章 ラストシーンは眩い光に艶やかに抱かれるように
1
それは満員の会場のいる全員が
息を呑むような圧倒的なものだった。
観客だけではない。
出演者もスタッフも演出の健一も
綾子も、みんなの記憶に残るラストシーン。
ミドリが最後のセリフを言って、
溶けるように照明が暗くなっていく。
一生を終える瞬間、そんなイメージだったのだろう。
朗読劇というよりは、
もう、一人芝居を見ているかのような
存在感を見せていた。
他の出演者も含めて、皆、最後までその表情を見届けようと
息を呑んで見つめている。
リハーサルをはるかに上回る完成度だった。
ミドリの最後の公演にふさわしい健一の演出だった。
糸のように細くなった照明が途切れ、
万雷の拍手が湧き上がろうかという
その瞬間、
まだそれがラストシーンではなかったことがわかる。
綾子が横を見ると、
タツヤがいなかった。
「え?あれ?」
会場がちょっと明るくなるのが見えた。
照明室のすぐ外にあるエリアの
ピンスポットライトをタツヤが
操っているのが
開けっ放しのドアの向こうに見えた。
天井に、小さな点のように見える
スポットライトの明かりが、
流れ星のようにスーッと下降りてくる。
まるで天からの使者が
迎えに来るように、
それはミドリを捉えた。
その光が強くなり白いワンピースを
輝かせている。
まるで光がミドリを愛撫しているかのような
そんな妖艶な光の動きの中
ミドリは、まっすぐ正面を見据えていた。
それは満員の会場のいる全員が
息を呑むような圧倒的なものだった。
観客だけではない。
出演者もスタッフも演出の健一も
綾子も、みんなの記憶に残るラストシーン。
ミドリが最後のセリフを言って、
溶けるように照明が暗くなっていく。
一生を終える瞬間、そんなイメージだったのだろう。
朗読劇というよりは、
もう、一人芝居を見ているかのような
存在感を見せていた。
他の出演者も含めて、皆、最後までその表情を見届けようと
息を呑んで見つめている。
リハーサルをはるかに上回る完成度だった。
ミドリの最後の公演にふさわしい健一の演出だった。
糸のように細くなった照明が途切れ、
万雷の拍手が湧き上がろうかという
その瞬間、
まだそれがラストシーンではなかったことがわかる。
綾子が横を見ると、
タツヤがいなかった。
「え?あれ?」
会場がちょっと明るくなるのが見えた。
照明室のすぐ外にあるエリアの
ピンスポットライトをタツヤが
操っているのが
開けっ放しのドアの向こうに見えた。
天井に、小さな点のように見える
スポットライトの明かりが、
流れ星のようにスーッと下降りてくる。
まるで天からの使者が
迎えに来るように、
それはミドリを捉えた。
その光が強くなり白いワンピースを
輝かせている。
まるで光がミドリを愛撫しているかのような
そんな妖艶な光の動きの中
ミドリは、まっすぐ正面を見据えていた。