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女子大生綾子の淫らなポテンシャル
第56章 嵌められた主艶女優




「そうだよなぁ。
ずっといい作品は作ってきたのにさ。
女優として、ヒロインとしての
ミドリの輝かせ方だって知ってたのに。
女のボクでもときめいちゃったくらいでさ。


でも、まさか、
あんなに自分本位の人でなしで
極悪なオトコとは
思わなかったけどね。
ミドリがかわいそすぎるよ」


ミドリが出る作品は、すべて、
しかもほぼ全公演観ていたルカ。
気がついたらミドリにとって
信頼がおけ何でも話せる近しい相手になっていた。


黒髪の可憐な少女は、よくできた妹のようでもあり、
歳は離れているのに男友達のようにフランクでもある、
そんな不思議な雰囲気を持っていた。
要は、ルカと一緒にいると
無理をすることがなく落ち着くのだ。


「ミドリってさ、
ホント、オトコ運、ないよなぁ。
ストーカー教師に、恋愛詐欺演出家、
アブないオトコばっかり寄せつけちゃう」


初めて会った時には、
女子高生だったルカが、
「ボク」と自分を呼ぶ口調のまま
女子大生になっているのも不思議だけれど
今ではすっかり慣れていた。


「そういうオトコたちってさ、
ミドリが美人の裏に隠し持ってる、
淫乱な匂いを見つける嗅覚、持ってんだよね〜」
「そんな、淫乱な匂いだなんて言わないでよ」
「もちろん、ボクにもその嗅覚はあるけどね」
「ルカは別だから」


ルカの存在が相談相手を超えてしまったのは、
一年以上続いてきた健一との恋人関係に
ミドリが耐えきれなくなってきていた頃、
新入部員が加わった数ヶ月前からだろうか。


誰かは分からないけれど、
健一がその中の女子を気にしているのではないか、
そう、ミドリの女の勘が働いていた。
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