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女子大生綾子の淫らなポテンシャル
第57章 闇のシナリオ・凶犯者




そもそも、
ミドリが健一と付き合うきっかけになったのは、
稽古で健一に罵倒された日に
当時の部長の4年生ヒロフミに進言され、
健一の住所を教えてもらい、
家まで謝りに行ったからだ。


そこで健一が元カノを突き放すようにして、
ミドリへの思いを立聞きしてしまったけれど、
その段階から、仕組まれていた
「闇のシナリオ」だったのだ。


「彼女見てると
イメージが湧いて、言葉が溢れ出てくるんだよ。
いい作品を作れるって、自信があるんだ」


物陰に聞こえてた健一の言葉に
ミドリは、すっかり騙されてしまった。
もちろん、聞こえるよう言っている。


それくらいに計画は、計算され尽くし、
本当に緻密なものだった。
その「闇のシナリオ」の協力者こそ、
凶犯者のヒロフミだった。


友達に誘われて見学にやってきたミドリに、
言いよろうとした健一が、
軽くあしらわれてしまったことを
根に持っていたのだ。


それを知った健一が、一年早い部長の座の
禅譲を条件にと計画を立てたのだ。
学年では2年後輩だけれど、年齢は同じだった。
相性も良く不思議な関係を保っていた。

「でも、それってケンだけが
いい思いするんだよな」
「今の彼女、ちょっと飽きちゃったから
ヒロにやるよ」


それまでの主演女優で、
健一の作品だけではなく、
ヒロフミが演出する舞台にもよく出ていた。


普段は大人しめで、顔もカラダも
そこそこいい女。
でも舞台に立つと役が憑依するタイプで
演技力は抜群にあってファンも多かった。


ヒロフミもその魅力にやられて、
いつかやりて〜な、なんて
下心もあったけれど、
さすがに健一の彼女には手を出せなかった。
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