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女子大生綾子の淫らなポテンシャル
第58章 闇の上映会・レモンスカッシュの片思い
1
カラン、コロン、
アップになったグラスの中で
氷が溶ける音が涼しげに聞こえてくる。
輪切りのレモンがグラスの縁に残っている。
オープンエアの座席のパラソルの下、
ストローで、グラスの中をかき回している
女の手がアップになる。
グラスは氷とレモンだけ。
すでに飲み干されてしまったのだろう。
手前の席には水だけが置いてある。
真上からのカットに切り替わり
俯瞰からのカットになる。
女が紙ナプキンに、
さらさらっと文字を書く。
『レモンスカッシュの片思い』
カメラがそこにズームインする。
しばらくすると紙ナプキンが
風で飛ばされていく。
オーブニングは、
そんなシャレた雰囲気で始まった。
「ちょっとおしゃれすぎんじゃない?
ケン、こういうの好きだろうけどさ」
「まあ、黙って観てろって」
次の瞬間、目を瞑るミドリの顔のアップ。
ズームアウトするのに合わせて、
静かに目を開けていく。
薄化粧のメイクが施されている。
静かに微笑んでいる。
それからは、街中や飲食店など、
ミドリの日常を盗み撮りしたようなカットの連続。
常に横に誰かに話しかけているような
楽しげな日々の記憶が刻まれている。
でも、本当は、ミドリしかいない。
そんなイメージ映像だった。
次の瞬間、汗をかいたミドリの顔のアップ。
「きゃっほー、ついに来た?
何、この汗?
いきなり、やっちゃった?え?」
「何勘違いしてんだよ、ヒロ」
さっきと同じようにズームアウトすると
Tシャツにジャージ姿のミドリ。
そこが稽古場であるのがわかる。
そこからは、稽古場で練習中の
ミドリの真剣な表情の連続、
時に笑って、時に沈んで、
でも強い目をしている。
いつこんなのを撮ったのだろう?
そんな臨場感があるものだった。
カラン、コロン、
アップになったグラスの中で
氷が溶ける音が涼しげに聞こえてくる。
輪切りのレモンがグラスの縁に残っている。
オープンエアの座席のパラソルの下、
ストローで、グラスの中をかき回している
女の手がアップになる。
グラスは氷とレモンだけ。
すでに飲み干されてしまったのだろう。
手前の席には水だけが置いてある。
真上からのカットに切り替わり
俯瞰からのカットになる。
女が紙ナプキンに、
さらさらっと文字を書く。
『レモンスカッシュの片思い』
カメラがそこにズームインする。
しばらくすると紙ナプキンが
風で飛ばされていく。
オーブニングは、
そんなシャレた雰囲気で始まった。
「ちょっとおしゃれすぎんじゃない?
ケン、こういうの好きだろうけどさ」
「まあ、黙って観てろって」
次の瞬間、目を瞑るミドリの顔のアップ。
ズームアウトするのに合わせて、
静かに目を開けていく。
薄化粧のメイクが施されている。
静かに微笑んでいる。
それからは、街中や飲食店など、
ミドリの日常を盗み撮りしたようなカットの連続。
常に横に誰かに話しかけているような
楽しげな日々の記憶が刻まれている。
でも、本当は、ミドリしかいない。
そんなイメージ映像だった。
次の瞬間、汗をかいたミドリの顔のアップ。
「きゃっほー、ついに来た?
何、この汗?
いきなり、やっちゃった?え?」
「何勘違いしてんだよ、ヒロ」
さっきと同じようにズームアウトすると
Tシャツにジャージ姿のミドリ。
そこが稽古場であるのがわかる。
そこからは、稽古場で練習中の
ミドリの真剣な表情の連続、
時に笑って、時に沈んで、
でも強い目をしている。
いつこんなのを撮ったのだろう?
そんな臨場感があるものだった。