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真紅の花嫁
第8章 紫苑の教師


どの映像もショッキングだったが、それでも〈調教レポート#05〉に比べれば、まだ衝撃は少なかった――



「あなた、亮とヤッたの?」

突然言われて、真波は現実に引き戻された。
テーブルを挟んで、望月紀美子がこちらを見ていた。冷たい視線は相変わらずだった。


「どういう意味でしょうか」

紀美子はフッと鼻先で笑った。

「どういう意味もこういう意味もないわよ。
  亮とセックスしたんでしょう?
 よかった?」

「ふざけないでください!」

声を荒げた。
まるっきり心当たりがないわけでもないため、過剰に反応してしまう。


「あら、まだなの。それは失礼。
   てっきり、ヤッたと思ったんだけど。
 あなた、亮のタイプだもの」

「相手は高校生ですよ」

「高校生なら、なんだというの?
   セックスくらいするでしょう」

返す言葉を失う。


年齢からいっても、全体のたたずまいでも、女性は分別のある、どちらかというと固い職業についている印象を受けた。

初対面の相手に性的な話題をふるだけでも驚きなのに、その内容が未成年との異性関係ときては、どう対応していいのか戸惑うばかりだ。


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