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真紅の花嫁
第16章 仄白い指


「ひっ」

変な声が出てしまう。


何事かと、来館者の視線が真波に集中した。


「す、すみません」

引き攣った笑顔でごまかし、隣りの作品へと歩き始める。

しかし、小さな玉子の振動はやんでくれない。
お腹の奥で、ジジジ、ジジジ、といやらしく震え続ける。

羽虫のような音が聞こえはしまいかと、気が気ではない。


真波は亮に向かって小さく首を振った。

(おねがい。今はやめて)


性感が揺さぶられ、淫蜜がじくじくと滲みだす。
蜜口に力を入れていないと、樹脂の玉子が抜け落ちてしまいそうだ。


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