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真紅の花嫁
第3章 琥珀の夜
脱衣室の鏡で見ると、顔がピンクに染まっていた。
上気した頬に両手を当て、気を落ち着けてから服を脱ぎだす。
清潔感のあるサックスブルーのブラとショーツがあらわになった。
鏡に映った自分の姿を横目に、シンプルなデザインのブラジャーを取った。
細面の知的な顔立ちに似合わず、真波の胸は豊かだった。
巨乳といってもいいサイズだ。
それも、巨乳にありがちな垂れ気味のものではなく、裾野が広く、きれいなお椀型に盛り上がった美乳である。
美麗で豊満なふくらみは、人によっては、自慢したくなるのかもしれない。
しかし、真波は昔から、この大きすぎる胸が嫌いだった。
そんな気は少しもないのに、過度にセクシーなイメージを与えてしまうのだ。
女同士の気楽なおしゃべりでも、性的な話題が苦手な真波には、そんな風に見られることは耐えがたかった。
男の視線がそこに集中するのが不快で、なるべく胸が目立たない服装を心がけていた。
女の胸にばかり興味を示すような男には、軽蔑しか感じなかった。
初めて一夜を共にしたときも、陽介が眼を丸くするのに、消え入りたくなったものだ。
同時に、この男もかと、軽い失望に襲われた。
けれど、陽介は真波の乳房に執着しなかった。
いや、もちろん愛でてはくれたのだが、それだけではなく、真波という女性のすべてを求めてくれた。
激しく、でも乱暴ではなく、深く、心をこめて愛してくれた。
陽介に愛されて、真波はようやく、自分の胸があまり嫌ではなくなった。
回想にふけりながら、ショーツを脱ぎ、浴室に入る。