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真紅の花嫁
第5章 純白のドレス
(あとひと月ちょっとで――)
この衣装を着て、愛する男性と結婚するのだと実感する。
鏡の中で横を向いたり、身体をひねってみたり、さまざまにポーズを取ってみた。
アドバイザーの意見を聞きながら、細かなサイズの変更や位置の調整を行っていく。
次はいよいよ本縫いに入るので、しっかり確認する必要があった。
特に気になるのは、横からのシルエットだ。
大きな胸が目立たないか、念入りにチェックする。
デコルテを大胆に見せるビスチェタイプにしたのも、その方がかえって上半身がすっきりすると勧められたからだった。
浅めのハートカットのラインが胸の谷間をうまく隠して、シンプルながらもエレガントで上品な感じに仕上がっている。
「大丈夫。よくお似合いですよ」
真波を安心させるように、アドバイザーが優しく微笑んだ。