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真紅の花嫁
第6章 蜜色の警告
それにしても、保護者のことを持ち出しても、少しも怯んだ気配がない。
(どういう神経をしているんだか)
「とにかく、このことは館長に報告します」
きっぱりと言って、踵を返そうとすると、
「それ、ぼくよりも綾音さんが困るんじゃないかな」
亮は腕組みを解き、ゆらりと身体を起こした。
「高校生とエッチしてたって広まったら、彼女みたいなお嬢さまには、たいへんなスキャンダルだよ」
「仕方がないわね、それも」
冷たく言い放つ。
一瞬、陽介の困り果てた顔が頭をかすめた。
胸が痛んだが、身内だからといって甘い顔はできない。
亮は髪をかき上げながら、ゆっくりと近づいてくる。
「そんなこと言わないでさ……どうしたら黙っててくれるかな」
双眸が不気味に光った。
思わず、二、三歩あとずさる。