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真紅の花嫁
第6章 蜜色の警告
「ちょ、ちょっと……近づかないで……
やっ」
手首をつかまれ、強引に引き寄せられた。
そのまま抱きすくめられる。
真近にせまった少年の顔に、ドキッとした。
あっ、と思った時には唇を奪われていた。
(え? え?
高校生と……キ、キスしてる!?)
想定外の少年の行為だった。
頭の中が真っ白になり、続いて赤く燃え上がった。
突き飛ばそうとしたが、頭の後ろを押さえられ、思うさま唇をむさぼられる。
「や、やめ……ん、んんんっ」
細身にもかかわらず、少年の力は強かった。
胸を強く叩いても、びくともしない。
硬く閉じた唇の上を、男の舌が執拗に這いまわる感触。
屈辱で、全身の血が逆流しそうだった。
「いてっ」
小さく呻いて、亮の顔が離れる。
唇の端が赤くなっていた。
真波が噛みついたのだ。
「へえ。真波さん、面白いことするね」
滲む血を拭おうともせず、少年はにやりと笑った。
ちらりとのぞいた白い歯も、わずかに赤く染まっていた。
背筋に冷たいものが走る。