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真紅の花嫁
第6章 蜜色の警告
「あ、やっ」
肩から降ろされたジャケットで、両腕を後ろに固定された。
背中を美術館の外壁に押しけられる。
タイトなのが災いして、スカートはウエストのあたりに丸まったままだった。
片方の手が、真波の口をふさぐ。
甘いマスクが、息がかかるほどの距離に近づいた。
「いい子だから、大きな声なんて出しちゃだめだよ」
さっきまでの怒りが、嘘のようにしぼんだ。
ショーツ丸出しの姿で、後ろ手に拘束されてしまえば、恐怖と羞恥以外の感情は吹き飛んでしまう。
「わかった?」
うなずくしかなかった。
人が変わったような高校生が、とにかく怖かった。
夜風に下半身がスースーして、野外であられもない格好をさらしているのを、あらためて意識させられる。