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第7章 肌色の動画

矢崎真波はノートパソコンにＵＳＢメモリを差し込んだ。
動画ファイルが五つ入っていた。

〈調教レポート〉と題されたファイルが＃01から＃05まで。

少し迷った末、最初のファイルをクリックした。
再生がはじまる。



スマートフォンで撮影したらしい縦長の映像。
白くぼやけた画面だが、どこかの部屋の中だということはわかった。

すぐにピントが合い、広々とした室内がはっきりした。


映画のポスターが何枚も貼られた壁。
衣類の散らかった床。
ブレが多く、安定しない。

スマホを手に、撮影者も動いているようだ。

画面の端にベッドが見えた。
アンティークなデザインの黒い鉄枠のベッドだ。
カメラはそちらに、ゆっくりと移動していく。


ベッドの上に、仰向けになった全裸の女性が映った。
乱れた白いシーツに横たわる、肌色の柔らかそうな肢体。

カメラが顔をとらえる。


それが姫川綾音だとわかった瞬間、真波は反射的に再生画面を消した。