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団地妻、桃香の青春とは……
第10章 真司の帰国

蒼汰からの返信を読んで、さすがに桃香も驚いた。

「とんでもありません。弟の好奇心は人並み以上に強いし、性欲は異常なほどの貪欲さです。
弟はとっくに童貞ではありません。保健室の先生や、友だちのお母さんともヤッたみたいです。
小学生の時にオナニーを覚えて、親戚の大学生のお姉さんに甘えるふりして誘惑して、童貞を奪われたのがきっかけだったようです。桃香さんのような年上の美人は、弟好みのタイプですから、窓を開けっぱなしにして、下着姿を見せて油断しないで下さい。そのことが気になって、メールをしました」


「なんて早熟な弟くんだこと、驚いたわ。忠告してくれて、ありがとう。私は大丈夫よ。弟くんは、どんな名前なのかしら、気になるな」


「剛太です。桃香さん、くれぐれも気をつけて下さい。さようなら」

スマホのメールを閉じて、「剛太くんか」と、桃香はつぶやいた。


小学生で童貞を奪われ、中学校の女教師や友だちの母親とヤルなんて、どんな顛末なんだろうかと訝りながら、様々な展開を思い描いてみる。

オナニーを覚えたばかりの小学生が、大学生のお姉さんをどのように誘惑したのか。お姉さんの上になって組み敷いたのか、組み敷かれたのか。勃起はちゃんと挿入できたのか。

友だちの母親は、どんな気持ちで中学生にヤラれたのだろうか。中学生の少年に、何処でどのように脱がされて、どんなセックスをして、どんな快感を得られたのだろうか。


寝室に入って向かいの窓を眺めたら、カーテンが閉じられて人の気配は感じられない。きっと剛太くんは、学校へ行っているのだろう。

桃香の心の奥底に閉じ込めたはずの青春が、新たな契りを求めて疼き始める。
啓蟄を迎えて眠っていた虫が地上に這い出すように、秘技を極めた煩悩が、新たな獲物を求めてうごめき始める。

「剛太くんか……」と、桃香はつぶやき、
「うふふ」と、笑って溜め息をつく。

                                        終わり

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