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Q 強制受精で生まれる私
第8章 3.0度目
「…気が変わったということ?」

「うーん、さっきからどうも話が噛み合いませんね。あなたから治療をお願いしてきたんじゃないですか。こうして準備してきたというのに。」

「で、でもさっき私には挿れないって。」

「…まさか受精を促すだけが治療とお思いではないでしょうね? 浜園さんには他にも治すべき所が沢山あります。本来のご依頼とは少し逸れますがこれも何かの縁。真摯に治療に当たらせて頂きます。」

 先生は顔こそいつもの爽やかさを保っているが、声までは苛立ちが隠せていない。予想外のことが起きて腹を立てているのが見え見えだ。だけど、私はあなたのオモチャじゃない。いつまでもただやられっぱなしという訳にはいかない。

「いつも猿みたいに出すくせに…そうですか。膣内に出さないって言うなら今日は安心ね。さっさとお願いします。」

「治療も結構ですが、浜園さんはまずその悪態を付く癖を治した方がいいでしょうね。私は貴方にとって…何者でもありませんが、親しき仲にも礼儀あり、ですよ。」

「そうですよね。あなたは彼氏でも夫でもない。ただの変態性癖のレイプ犯ですものね!!」

 苛立っているのはこっちも同じだ。いきなり襲われて身体を弄ばれて、挙げ句軟禁なんて外道以外の何者でもない。わざわざ挑発してあげたんだ。ビンタの一つ位貰ってあげるから、さっさと手を出してこい。こんな人に種付けされるよりかは暴力の方が数倍マシだ。

「あはは、酷い言われようですね。今日は虫の居所が大層悪いようですし、早急に終わらせましょうか。」

 相変わらず気色悪い笑顔だけは崩さない先生は、そう言って挑発に乗ってこない。布一枚しかない弱者が何を吠えた所でかすりもしないらしい。私は犯行をカメラに捉えるべく、指示される前に診察台に仰向けになって治療を促す。
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